入門 考える技術・書く技術【スライド編】

入門 考える技術・書く技術【スライド編】
山崎 康司
ダイヤモンド社

コンサルティングにおけるプレゼン資料(スライド)を例に挙げながら,プレゼン資料の良し悪しについて説明している本.
プレゼン資料作成における注意点を(1)短くまとめた原則,(2)原則の詳細を説明する文章という形式で説明している.
ここに書いてある内容は間違っていないので,研究室の学生に紹介して読んでもらおうかなと思う.2, 3章の内容は研究におけるプレゼンに対しても成立する内容.4章の導入部に関する説明は,スライドとして不適な例を使って説明をしている(むしろ奨励している)のでダメ.「読み手が既に理解している内容だから大量の文章を列挙しても問題ない」といった説明が書いてあるが,そのような内容を十何行にもわたる文章として1枚のスライドに掲載する必要性が理解できない.この章だけ,論理性を無視して著者のいけてないスライド作成術を正当化するへんてこな文章になっている.と思ったが,コンサルティング業界ではこの程度の意味不明なスライドはOKとされているのかもしれない.

読む価値はあるかなぁと思う一方で,以下の点がいけてない.
1. 章構成が変
紹介している原則が論理的に並んでいないので,系統立てて理解しにくい.
例えば,原則1-5の流れは以下のようになっている.
原則1 メッセージの展開を明確にする (スライド全体の構成について)
原則2 図表,グラフなどのビジュアルを活用する (各スライドの質向上について)
原則3 結論と次のアクションを強調する (プレゼン資料の最後)
原則4 導入部で背景を説明する (プレゼン資料の冒頭)
原則5 聴衆の反応を緻密に予測する (スライド全体・個々のスライドの両者について言える内容)
私が書いたかっこ書きの内容を見れば分かる通り,原則を思いつくままに書いたような印象を受ける.1章で「スライドは構成が大事だ」みたいなことを書いているものの,そもそも著者の論理的思考能力・文書作成能力が信用できない.

2. サンプルスライドの文章がダメ
サンプルとして提示されているスライド内の文章が,スライドに載せる文章として不適.
読者にとって理解しやすいように,あえて長めの文章を書いているのかもしれないが,文書形式で報告をする報告書に掲載するような文章が書いてある.典型的ないけてないスライドの例みたいになっており,やはり著者のスライド作成能力に疑問が生じてしまう.

3. 説明不足
著者が以前書いた(ひょっとしたら翻訳した)本で定義した謎の単語を説明もなく使っているため,理解が難しい説明がある.しかも超重要な説明に謎の単語を使うので,正直辛い.

1章後半で「ピラミッド原則」なるキーワードを使って説明をするのだが,そもそもピラミッド・ピラミッド原則が定義されていない.そのため,スライド作成技術を学ぼうという初学者は全くもって理解できないだろう.実は巻末で説明されているのだが,本文中で言及されていないため,説明としてはイマイチ.

2章で出てくる「しりてが接続詞」や「ロジカル接続詞」も上記のピラミッド原則と同じ.意味わからん.

4. 変な日本語
プレゼンターをプレゼンテーターと書いたり,ところどころで変な日本語を使っている点も気になる.

内容: プレゼンの場のみならず、報告書として通用するプロフェッショナルのスライド/パワポ作成法。Amazonより)

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